今年に入ってから使っていたベテラン型のアルーレンについて、3ヶ月でリストが固まりつつあるので、思考の整理と布教を込めてまとめてみました。
デッキ:ベテランアルーレン
デッキリスト
各カードの採用理由について
メインボード
魔の魅惑 4枚
護衛募集員 4枚
洞窟のハーピー 1枚
寄生的な大梟 1枚
クイックリング 1枚
このデッキの核となるコンボのパッケージ。BUG型ではこのパッケージが魔の魅惑4枚、洞窟のハーピー4枚、寄生的な大梟1〜2枚となり、護衛募集員とクイックリングは不採用となります。洞窟のハーピーの採用枚数の違いはコンボ完走の方法で、4c型が護衛募集員とクイックリングによる確定サーチを繰り返すのに対して、BUG型がハーピー+ cip能力を持った生物でアドバンテージ(デッキを掘り進めながら)を得ながら寄生的な大梟を探します。
どちらも一長一短ではありますが、BUG型と4c型はもはや別のデッキみたいなものなので、このアプローチによるデッキ全体の構成により好みが分かれます。
またクイックリングについてですが、この枠で採用する生物は3(or4)種検討可能です。
1.クイックリング U1 2/1 瞬速 飛行 自クリーチャーバウンス。不可能な場合自身を生贄
2.大クラゲ U2 2/2 クリーチャーを1体バウンス
3.北極マーフォーク U1 1/1 キッカー(自クリーチャーバウンスで+1/+1)
(4.夢で忍び寄るもの U1 1/5 自パーマネントを1つバウンス)
4については護衛募集員ではなく帝国の徴募兵である必要があります。
どれも魔の魅惑設置下のコンボ時では同じ働きをしますが、違いは以下の通り。
1.瞬速待ちのため、魔の魅惑無しでも自クリーチャーの退避が可能。
2.バウンスに制限が無い
3.バウンスはキッカーのコストのため、これ自身が打ち消されてもバウンスができる
4.稲妻に強い
私は除去から逃がすためにクイックリングを採用しています。デプスあたりを見るならば大クラゲの方が良さそうです。
悪意の大梟 4枚
ほぼ確定の枠だと思っています。2マナでハンドアドバンテージを得つつ、盤面を膠着させることが出来るクリーチャーはほかにいません。またこれ自身がハーピーとのシナジーを持つため、実質ヨーグモスの取引です。
渦まく知識 4枚
思案 1枚
渦まく知識は青を取っているデッキとしては議論の余地はありません。4cであるこのデッキはフェッチの採用枚数が多いので、なるべくブレスト→フェッチのパッケージを使用して事故を抑えます。
思案の採用枚数が少し怪しいのですが、一応理由があります。このデッキが1T目に行いたい動きは、ベテランを出すかハンデスを唱えるかです。妨害を考慮しない理想の動きは、
1Tにベテラン、2Tにファイレクシアの塔からの魔の魅惑キャスト→護衛募集員によるコンボ完走
です。この動きのために7枚の1マナがパッケージされており、デッキ全体で思案を除いた1マナは13枚です。環境にある程度存在するチャリスを採用したデッキと当たった時の被害を考慮し、採用枚数は控えめです。
陰謀団式療法 4枚
思考囲い 2枚
陰謀団式療法は裏表で2回確認が出来ること、ベテランとの相性などから4枚採用。
陰謀団式療法の方が強いときと思考囲いの方が強いときとそれぞれ状況によってはあります。例えば、赤単などのいくつかのパターンでこちらを縛ってくる場合は思考囲いの方が優秀なことが多いです。陰謀団式療法の場合では、
指定:虚空の杯
公開ハンド:血染めの太陽(フェッチ起動不可でゲームが終わる)
みたいな裏目を引きかねません。
青系であれば、だされたら終わるデッキというのはそれほどないので、渦まく知識か思案あたりを指定して、表で当たればラッキー、外したら裏で対応という感じでいけるので陰謀団式療法の方が嬉しいです。
現在はスロットの関係もあるのでメインのハンデスは6枚ですが、環境によっては思考囲いが増えることもあり得ます。
突然の衰微 2枚
暗殺者の戦利品 1枚
暗殺者の戦利品は基本土地が複数枚採用されているデッキ相手にはあまり使用したくありません。またこのデッキはコンボデッキとして、コンボによる勝利を目標にしているので、除去に割くスロットは抑えめです。よって4枚を目処にしつつ、常に活躍する打ち消されない衰微と、後半に役立つ戦利品を散らして採用。
レガシー 環境で打ち消されないことによる価値は高く、確実な1対1が取れる衰微は抜けません。ただし、このデッキの目的は魔の魅惑の設置と護衛募集員を唱えることなので、それを阻害するものを割ればよいです。よく見るものとしては相殺、チャリスx=2or3、三なる宝球あたり。衰微であることの裏目も死儀礼禁止後は増えましたし、2枚としています。
戦利品は基本土地サーチと打ち消される不確実性が気になります。序盤にこれをうつことは、相手に1Tあげているようなものなのですが、上記の衰微の裏目もありますので、後半に引いてきて最後のひと押しに使用する意味で1枚です。
老練な探検者 3枚
自身が死亡すると基本土地を2枚アンタップインで置けるすげえやつ。陰謀団式療法と組み合わせることを目的としているのと、これ自身が地上における相手への牽制となります。
出来れば1Tに出したいですが、デッキ内の基本土地採用枚数の上限を考慮すると4枚は不要です。なにより1ゲーム中に2回能力が誘発する必要はないので、後半手札にたくさん来られても困ることを考えて3枚。
アカデミーの学長 1枚
サンドワームの収斂 1枚
レクターコントロールに寄せるならば増量しますが、いまはあまりそれは考えていないので1枚。白含みの4cならば入れていてあまり損はしないと感じている枠です。
こちらも陰謀団式療法とシナジーを形成しています。当初は魔の魅惑をサーチするためのサブルートでしたが、今のリストはサンドワームの収斂との2択を選べるようにしています。2択にしたのは魔の魅惑コンボが達成できない場合のサブプランを用意するためです。
三なる宝球等の、コストを増加系の置物が場にある場合、魔の魅惑はコンボ完走できません。時間に余裕があれば毎ターン5/5が増えるほうがこちらとしては時間稼ぎorゲームエンドまで持っていくことができます。
サンドワームの収斂は好みではありますが、何もしなくても勝てるようになるカードというところで選択しています。コストはかかりますが、レクター経由の踏み倒しならば問題ありませんし、ゲームが伸びてベテランの能力が複数回誘発した場合にギリギリ唱えることができる範囲です。
ほかの採用候補には、
圧倒的輝き、残酷な真実、moat(買えない。高いから)があります。
トレストの使者、レオヴォルド 2枚
BUG型ならば3枚採用可能なカード。唯一護衛募集員でサーチ出来ない生物です。
アド損しにくい生物なのと、青系に対して大きく有利が取れるので採用しています。アルーレンのミラー戦ではこのカードが場に出ている方が勝ちます。BUG型ほどロックに力を注がないので、サーチ不可能なことを考慮して2枚です。
森の知恵 1枚
序盤から設置可能な緑の味方。複数枚入れる余裕はないですが、あるだけでコンボへの時間がかなり短縮されます。
相手がファクト破壊をここに使ってくれればそれはそれでありがたい。
最後の希望、リリアナ 1枚
あるだけでここにリソースを割かざるを得なくなるカードです。
プラス能力がデスタクなどのタフ1生物を多く擁するデッキに効果的な点と、小マイナスが墓地に落ちた生物回収なので、継戦力を上げてくれます。勝ち筋という点で、これを軸に勝つことはあまりないですが、あって腐る場面が少ないので入れています。役立つことが多いです。
秋の騎士 1枚
永遠の証人 1枚
デッキの隙間を埋める立ち位置の2枚。秋の騎士はコンボ中の針(or破棄者)を割る役を担ってくれたり、無限ライフゲインしてくれたり、フレキシブルに働きます。これは再利用の賢者には出来ないことです。
永遠の証人もコンボの達成への障害を取り除く上で重要な働きをすることが多いです。
どちらも護衛募集員からシルバーバレットします。
土地
デュアランは6枚、基本土地5枚。フェッチ9枚。
この辺りはデッキのバランスと資産の関係。GGと出せるようにはしておく必要がある点と、白のカードが重要な役割を果たしているので、出したいときにW1マナは出せるような持ってき方が出来るマナ基盤を目指しています。
ファイレクシアの塔は2Tキルをするためのお守り。最高速は狙ったもの勝ちです。実際、10〜20マッチに1回程度は完璧なハンドがやってくることがあります。これでサクッとゲームを取れるのはコンボデッキの強みなので、押さえておきたいところ。
ちなみに土地の持ってき方ですが、BayouとUndergroundSeaを優先的に揃えられる置き方を心がけています。能動的に動くならば悪意の大梟、構えるならば衰微を唱えるためです。魔の魅惑用のGGは、最終的に出せれば良いので、不毛されるならどちらかと言えばUndergroundSeaを割ってもらいたい。
もちろん、特殊土地対策が相手にあるならばそれ用に基本土地から持ってきますが、このデッキでそれをするとベテランの旨味がなくなることと、色事故の危険性が上がるので出来ればしたくありません。
サイドボード
外科的摘出 2枚
墓地対策。最近はあまりリアニメイトと当たっていないのでこうなっていますが、ガードを下げ過ぎてもいけないので、もう1枚くらい取るべきかもしれません。
突然の衰微 1枚
流刑への道 1枚
集団的蛮行 1枚
除去は追加の衰微と、パスです。相手によってはハンデスの追加をします。よって蛮行。
パスはベテランとの相性を考慮して、相手が基本土地枯らしてくれたら最強のピン除去となるため。
スレイベンの守護者、サリア 2枚
アゾリウスの造反者、ラヴィニア 1枚
対コントロール、対コンボでの優秀な生物。これを入れるときはベテランの挙動に注意したいところ。
このデッキで白の生物が増えることはあまり意識されないので、刺さることが結構あります。
ラヴィニアは固まっているわけではありませんが、will以外に目くらましを使ってくるデッキに対して効くので1枚あってもいいと思っています。
真髄の針 1枚
餌食 1枚
このデッキの天敵は精神を刻むもの、ジェイスだと考えています。もともと生物の線が細く、横に並ぶわけでもないこのリストでは、にらみ合った状況のPWを落とすことが難しいです。ヴァリアナ、ラスアナ等の3マナPWは衰微で落とせますが、4マナPWは結構簡単にハメの形に入ってしまいます。
この2枚で相性の改善が図れているわけではありませんが、一応の対策として。
罠の橋 1枚
毒の濁流 1枚
リセットは柔軟さと軽さを理由に毒の濁流を採用しています。赤単系を見つつ、メンター、若パイあたりが的。もしかすると湿地での被災でも良いかもしれません。
罠の橋はショーテル、アンコウ、マリットレイジに対する対策。止まりさえすればこちらは殴らずとも勝てるので、出せるなら出しておきたいロック。
堆肥 1枚
ヒムへの憎悪。
弱みについて
このデッキの弱みは、コンボの速度とPW処理能力の低さだと考えています。
上記したように、ジェイスの着地で何もできずに負けることはママありますし、対コンボ性能の高いグリコンなどはかなりキツイです。
また三なる宝球、倦怠の宝球、抵抗の宝球あたりは出るとそのまま押し切られる可能性が高いです。
PW耐性は最近その道のプロのotabaさんが調整しているパニッシングアルーレン(罰火型のアルーレン)が良さそうですが、私は帝国の徴募兵を持っていないので試してません。(白枠が欲しいです)
全体的な試行回数が少ないので、アーキタイプごとの有利不利は出せませんが、tierの上位ではないので(関西は多いです)、わからん殺しが可能なところはいかせます。
最後に
勝率6割達成を目指そうな。
以上。